恋人ごっこ
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「…え?」


あたしは、空になった湯飲みを持って立ち上がる。


「もう一緒に学校行かないし、一緒にご飯も食べない。
多分君一人じゃ学校辿り着けないと思うから、地図作っておいた。無くすなよ。」


「え、ちょ」


「今日楽しかった、デートみたいで。」


「待って!」


仙崎が一際大きな声を出したので、反射的にあたしは口を閉じた。


「…何、何て言いました……?」


「別れようって言ったの」


驚きを隠せない彼に、あたしは淡々と答える。


「無理だったんだよ、恋人ごっこなんて。」


「何が、何が無理だったんですか?
俺、和葉さんにとって嫌なこと何かしたんですか?」


「違うよ」


「じゃあなんで」


「…理由なんてないよ、ただ最初から無理だっただけ。」


あたしはそう言って、彼の腕を引っ張り立たせる。
不思議そうに立ち上がった彼の背中を押して、家から追い出す。


「和葉さん、」


「好きだからだよ」


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