サクラのハナビラ
ベッドの上でぼーっと寝そべる。




どうなるんだろう。




携帯が震える。




ビクッと体が緊張する…。




着信中*ヨウちゃん




どうしよう…出なきゃ…。




「もしもし…。」




「サクラ?お前どしたの?何やってんの?」




いつも優しいヨウちゃん…でも今は少し怒ってるのが伝わってくる。




「ごめんね…図書館で勉強してて…。」




「…そっか。あんまり遅くなるなよ?心配するから。」




嘘つき。あたしどんどん落ちていく…言わなきゃ…。




「ヨウちゃん…あたしね」



「いいんだよもう。明日から学校だろ?心配だっただけだから。明日学校終わったら迎え行くから家に来てよ!ゆっくり休めよ〜!おやすみ!大好きだぞ〜。」




ヨウちゃんはあたしの声をさえぎって電話を切った。




家?無理だよ…どうしよう‥。




ヨウちゃんは大切な人。



ヨウちゃんは婚約者。




ずっと仲良くしてきた。



なのに…裏切ったんだあたし。




どうしようもなく苦しい…。




禁忌を犯した者の罰だ…。
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