叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


「冬樹……」


仁のか細い声。


「相沢大丈夫か?」



倒れた体制からなんとか座って壁に手をついている相沢。
本当に気持ち悪そうに顔をしかめて首を横に振る彼女に胸が痛む。


さっき話した時に気づいていれば……!


でも後悔するのはあとだ。

とにかく相沢を保健室へ連れて行かなきゃ。


相沢の膝裏と背中に手をまわして、抱きかかえた。



「俺、相沢を保健室に連れて行くわ」


「お、おう……」



仁を見て、その奥にいる優花ちゃんを見る。


みんなが心配そうにとゆうか、興味本位だとは思うけど、こちらを見ているのに、優花ちゃんは一切こちらを見る様子もなく机に座ったままだ。


どんな表情をしているのかさえもわからない。


なにを思って、なにを考えているんだろう。


双子のお姉さんが倒れているのに。


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