叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


転校してきて1週間が経った。


だいぶクラスにも馴染めて来たと思う。
名前も全員覚えたしな。



「あ、優夜ちゃんおはよ!」



靴箱のところで仁が呼んだ名前に身体が一瞬だけ固まる。


すぐ、反応してしまう。


外の方を見ると彼女が歩いてやって来ているところ。



ーートクン、トクン…



……あ、髪の毛。今日は結んでるんだ。


いつもと違う相沢に心臓が静かにでも確かに大きくなって行っているのがわかる。



「おはよう、相沢」



俺の挨拶に相沢はすこし微笑むだけ。


……友達未満。知り合い程度……って感じ?


相沢と仲良くなりたいのに、うまくいかないというか、隙間が埋まらないというか……。


壁を感じる。


すごくもどかしい。


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