叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。

最終話『8年後』




約8年後。
今年もこの街に綺麗な桜の花が咲いた。


時間が経ってたくさんのものが変わって行った。
たとえば、駅前の空き地にマンションが建ったり、通い慣れていた通学路を歩かなくなったり。


でも、変わらないものも、ちゃんとあるんだ。


あれからたくさんの季節を通り過ぎて、また、春が来た。


君と出会った日のように。

なにからなにまでフワフワしているような、そんな春。


目に見えるすべてが、輝いて見える。



「結婚……おめでとおおおお!!」



今日、無事に俺と優夜は結婚式を迎えた。

みんなで写真をいくつも撮ったりして。


終始みんなずっと笑顔だった。



「お兄ちゃん、かっこいいよぉ!」


「ありがとう」



あれからたくさんの月日が流れて、あんなに小さかった夏沙も、中学生になっていた。


見事なブラコンに育ったわけだけど、結婚相手が優夜なら許す!と、言われた。



『逆に優夜お姉ちゃん以外の女なんて許さないから!』



と、まで言われた。


たまに二人でショッピングにも行くし、夏沙と優夜の仲の良さには、俺も完敗。



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