叫びたいのは、大好きな君への想いだけ。


テーブルを挟んだ向こう側。
俺の目の前に仁、その隣に相沢。


二人の距離に悶々としたものが心の中に居座っている。
イライラして足を細かく揺らしてしまっていた。


……ちけーんだよ、仁。
もっと離れろ。


なんて言えずに小さくため息。


なんで俺って頭良くも悪くもねー、微妙なやつなんだろう。
頭が仁みたいに悪かったら相沢に手取り足取り教えてもらえるのに。


器用に数字を公式に当てはめていく相沢。

さすがだなぁ。



「……っ……」



その時。
不意に相沢と目が合って。
見つめすぎたかと恥ずかしく思ったのもつかの間。


その後のはにかむような相沢の小さな笑顔に、
すかさず胸がときめいてしまった。


目が合ったあとに微笑むとか、なんだよそれ。必殺技か?


……ほんと、かわいいなぁ。


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