隣の席の俺様ヤンキー

声のかかったほうを見ると
そこには月希先輩がいた


「あ・・どうも。」あの本の整頓以来会ってなかったな
こんなところを見られるなんて、なんか複雑



「傘、ないの?」


「あぁ、はい。月希先輩はなにしてたんですか?」


「家がこの近くだからさ。ちょっと買い出しに」


「あぁー・・。」


そこから沈黙が続いた



なにか話題・・話題・・。



「これから俺の家来る?」


「へっ」


「雨が止むまで。どう?」


男の人の家なんて上がったこともない
なにかされないだろうか
うーん・・でも月希先輩は優しいし
そんなこと、するような人じゃなさそうだし
でも・・でも・・。



「大丈夫。」


「?」


「襲ったりしないから」クスッと月希先輩は笑った


あれ・・私の気持ち読み取られた?
恥ずかしっ


「じゃあ・・ちょっとの間お邪魔させてもらっていいですか?」


「ん。わかった」



バサッとビニール傘を開くと、「おいで」と言って
私の腕を引っ張った

< 64 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop