SトロベリージャM
「じゃあ、僕戻るね。ついでに、立ち入り禁止の札掛けといてあげる。」


玲が手を振りながら、ダイとすれ違おうとした瞬間、ダイが口を開いた。


「お前の罪は重いぞ。」


2人は薄暗闇で、目を合わせたまま動かなかった。


「分かってる。君に恩返しできるときがきたのさ。」


「どういう意味だ?」


ダイの瞳が、疑問の色に変わった。


「今すぐには実行できないけど、今後、2人のために僕ができることを見つけたんだ。相当な罪を犯さないと、ダイはこの条件を飲んでくれないと思ってね。」


「玲、お前・・。わざとやったんだろ?」


玲はドアの方に歩いて行きながら、呟いた。


「一生秘密さ。それに、僕は一生君の親友。」


そう言って、部屋を出て行った。


部屋には、沈黙が訪れた。


暫くして、絨毯に吸い込まれながら鳴る鈍い足音と、嗅ぎ慣れた香り近づいてきた。


実野里は、緊張のあまり、ずっと固く目を瞑っていた。


少しも、瞼の裏は明るくならず、部屋が薄暗いままだと分かったからだ。



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