SトロベリージャM
「さっき、栗拾いしたから・・・。」


(マズイ・・。意外に由梨さんは、鋭いんだよな。)


「毎年、栗拾いしているんでしょう?今年は寒いかしら?」


ジャムを箱に詰めながら、返す言葉を探していた。


「えっと・・。珍しく風邪を引いたのか、喉が痛くて・・。」


「あら、そう・・。仕事、無理しすぎないでね・・。」


心配性の女神様は、持ち味の垂れ目を更に垂れ下げながら、悲しそうな顔をした。


(女神様~!嘘ついてごめんなさい。ダイめ~っ!あれだけ、首にキスはしないでって言ってるのに、全然聞かないんだから!)


相変わらずダイと実野里は、夏のような甘いときを過ごしているが、実野里は今も、酸っぱいさくらんぼのままだった。


たまに、そういう場所に行っても、ダイが交わるまで深くは進めないのだ。


それなりの理由があるのだろうと、実野里が何も追及しなかったので、2人は甘夏のままの状態だ。


「実野里ちゃん、大丈夫?手が止まってしまうほど、しんどいのかしら?どうしましょう?あぁ、可哀そうな実野里ちゃんっ!わたし、何も力になれないわ!わたし・・わたし・・。」


(ヤバイ!由梨さんが自分を責め出したら、止まらないのよ!)
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