SトロベリージャM
この後、大地は、実野里に叱られる破目になった。


大地が、実野里を抱きしめたまま、ずっと起こさなかったからだ。


朝食も食べる時間もなく、早急に着替え、準備をした。


「早く!大地!皆が外に出て来ないうちに、出発しなくちゃ!ちょっと、何やってるの!?」


大地がリビングのテーブルの上で、何やらゴソゴソうごめいていたのだ。


近付いて見てみると、ゆるキャラのクマのピーちゃんが蜂蜜を頬ばっているかのように、ジャムを指に絡めて、舐めているではないか。


(だ・・大地!?あなた、大地よね?)


フワッと逆立った茶髪の中に、一瞬クマの耳が見えたような気がした。


そんな幻覚を誘うほど、信じられない光景が目の前に広がっていた。


「ジャム、職場に持っていこうね~。」


クマのダイちゃんをなだめ、引っ張りながら、車置き場に到着した。


ダイちゃんをジャム瓶ごと助手席に放り込み、急いで運転席に座ると、すぐさま出発した。
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