SトロベリージャM
大地は、ニタリと悪魔の微笑みを浮かべた。


床に座って、ベットにもたれかかっている実野里を、ギュッと抱きしめた。



~Side 大地~


俺の腕の中で、すやすや眠る妖精が可愛くて仕方がない。


生まれてから今まで、この妖精を想い続けてきた。


正直、性欲の面では、少し足を踏み外したことはあったが・・。


しかし、こいつは、誰とも関係を持たず、ずっと俺のことを待っていてくれた。


「死ぬほど嬉しい」としか言いようがない。



この妖精は、俺だけを愛し、俺だけと交わる。


独占欲の強い俺の欲求を、満たしてくれる。


自分は何て幸せで、我がままなんだろうか。


溜息が出るほど、呆れてしまう。



もう、自分を偽って行動するのはやめよう。


好きなものは好き、守りたいものは守る、それでいいじゃないか。


人の言い成りになって、自分じゃない色を塗りつけるのは、間違っている。


そう、妖精が教えてくれた。



妖精と交わった光景と感覚が、よみがえってくる。


身体のどのパーツも声も綺麗だが、特に、澄んだ瞳は艶めき、いつもに増して美しかった。


それは、妖精の心が、そのまま滲み出ているからだ。



俺は、変わったんだ。


お前に浄化されて。


お前には敵わない。


だけど、お前の願いは叶えたい。



愛してる 実野里。


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