SトロベリージャM
大地は、実野里を抱きしめた。


「お前の可愛い目と鼻から輝く雫が落ちるのは、俺のせいだ・・!俺が憎いか?」


実野里は、大地の逞しい腕の中で、首を横に振った。


(鼻水を美化して、遠まわしに伝えたあなたは憎いかもしれないけど・・。)


「違うの・・。自分の愚かさが憎いの・・!さっき、大地に向けた言葉の刃は、

全部わたしが受けるべきものなのよ。」


大地は、乱れた実野里の髪を梳き、綺麗に整えながら言った。


「俺が誰よりも強い盾だったら、実野里を守れるのにな。すまない。」


実野里は、大地の背中に腕を回し、答えた。


「謝らないで。大地は何も悪くないわ。それに、わたしにとって大地は、どの盾よりも誰よりも、強くて美しい王子様よ。」


そう言って見せた笑顔は、太陽と運に愛された勝利の女神の微笑みのようだと大地は思った。


そして、太陽や運よりも、実野里を愛しているのは自分だと。


太陽が隠れて闇に包まれようが、運に突き放されようが、実野里を愛し、守るのは自分だから。


いつの間に、鼻水だけを消したんだろうと疑問に思った、そのとき、廊下から、
社長らしき足音が聞こえてきた。


しかも、ヒールを打つ音まで追加されているではないか。


2人は、サッと離れながら、嫌な予感を感じた。
< 185 / 225 >

この作品をシェア

pagetop