SトロベリージャM
メールを読み終えた実野里は、涙で視界が歪み、頬は熱く高潮していた。


(大地、早く会いたいよ・・。)


喜ぶのもつかの間、徐々に現実へと引き戻されていった。


(だって、政略結婚も埋め立ても強制で行われるんだもの・・。もう、わたしの力では、どうにもならない。それに、クビになっちゃたし・・。)


実野里は、エデックへ入社したときから今までを、振り返ってみた。


(いったい、わたしは何をしていたんだろう?何か成し遂げたられたことがあっただろうか?きっと、何もない・・。)


実野里は、自分を責めた。


握りしめた手は震え、涙を止める方法も分からなくなった。


その日から、実野里は、ほとんど外へ出なくなった。


出るとしても、皆が寝静まった時間に、栽培やゴミ捨てをしたり、あとは、皆の商品を収めている倉庫に行って、注文数量分の商品を取って帰ってくるだけだった。


実野里は、どんな顔をして、仲間に会えばいいのか分からなくなったからだ。


誰が訪れても返事がなく、ジャム屋も玄関も閉まったままだった。


ただ、ドアのところに「諸事情により、春までお休みをいただきます。ネット販売は随時行っていますので、よろしくお願い致します」と書かれたメモが貼られているだけだった。

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