ゆるふわなキミ


「ほ~らほらほら笑って萌ちゃん~!
笑ったキミは天使だよ♪」

お前はクラビアのカメラマンか。

「あ~あ。またムスッとしたのになった~。
……まぁ、この顔も可愛いけどね♪」

何でもアリなんじゃねーか。

楽しそうにプリクラにデコレーションしてるゆるふわの背中を、冷ややかな目で見ていた。

「LOVEとかタクミが好きとか書い」
「死ね」
「……せめて最後まで言わせてよ」

しゅんと叱られた子犬のように凹みながら、それでも楽しそうにデコレーションしてるゆるふわ。

……よく見ると本当にキレイな顔してる。
かわいい系なんだけど、真剣な顔はカッコ良くも見える。
身長は……162、3センチくらいかな?男の子にしては小さい方。
あたしが153センチだから、10センチくらい違う。気がする。
笑顔が愛らしくて、困った顔を見たら何とかしてあげたくなる。

人懐こい、子犬みたいな男の子。

「……ん、何?あ。もしかして見とれてた?」
「いっぺん死ね」

でも中身はサイアク。
強引・自己中・口悪い・ずるがしこい。

「よし!できた~♪」

ため息をつく。

「はい!萌ちゃんの分♪」

間違いない。
プリクラに写る私と同じ顔してる。

「萌ちゃんとの初プリゲッツ!」

こっちも同じ顔してる。

つか。

何してんだろう?あたし……


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