ゆるふわなキミ


いやいや!おかしいから!
初対面でいきなりクレープ食べるとかありえないから!
しかも、か、か、間接キス……!!

言いたいのに声に出せない。
可愛いオーラが邪魔して、怒ったら負けなカンジがする!

「あれ?いらないの?じゃあもうひとくぶっ……!」

ぐちゃっ。

「もっ、もういらないから!あげるし!じゃあサヨナラ!!」

見ないように目をつぶってクレープを差し出した。
そして、向こうが何かを言う前にダッシュ!!


私の頭の中はグチャグチャ!
何がなんだかわからなくて、疲れるまで走った。


恋愛経験なんてほとんどなかった私には耐性なんてないし!
いや、恋愛経験関係ないか?


はぁ、はぁ、と歩きながら息を整える。
冬なのにすっごく暑い。


………何で私ばっかり……


いいかけた言葉を飲み込んだ。


そして、さっきのことは忘れよう。
そう決めた……




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