浮気性彼氏と一途な彼女
波乱の文化祭

*優 side*

どうしてこんなことになったのだろう。


きっかけは文化祭の開始合図直後のこと



私は1日目を萌と回るつもりだったのに
どうして凌くんと回ることになっているのでしょうか?


『どうしてって…
俺と優ちゃん、ぼっちだから』

そう、ぼっちなのです。
私は萌がいないし、凌くんも一緒に行く予定だった子がいないそうなのです。


というわけで、凌くんと回ることになったのです。


『せっかくの文化祭なんだからさ、
楽しく回ろうよ、ね?』

確かに…
高校の文化祭は今年で最後だし。


『うん、そうだね。』


こうして、一緒に回ったんだけど
フレンドリーな凌くんだから、
最初は緊張していた私も、途中からは楽しんでいた。



結構な数の催しものを回り、
私たちは屋上に来た。


『…鈴木蓮くんのこと、まだ好き?』

…え?
どうして凌くんがそのこと知ってるの?


『どうしてって、優ちゃんわかりやすいからね!』


わかりやすいのかな…?


『それで、鈴木くんのこと好き?』


『…うん。まだ好き。
頭ではわかってるの。蓮はもう私のこと好きじゃないって。
冗談で好きとか言ったり、キスしたりしたんだって。

でも、少しも忘れさせてくれないの。
私の心はずっと、いつも蓮のこと追ってるの。

好きって言われたときも、キスされたときも、
どこかで期待してしまう私がいるの。

菜々子ちゃんとのキスを見た今でも
図々しく期待してる私がいるの。』


凌くんがきいてくれるから、
蓮に対する想いを言ってしまった。


『そっか、落ち着くまで屋上にいたらいいよ。
今日は一緒に回ってくれてありがとう。』





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