どうしようもない幼なじみに…



 桃花が凌太のことを、好き?

 …だから俺のことをいつも拒絶してたのか…?

 俺は体育館の方に歩いてきた今川さんに

「足が痛いから今日は帰る」

 と告げた。

「珍しいな、オマエがけがか」

 俺は言い訳として、この前の暴力事件のことを引用することにした。

「暴力事件の時、足捻ったみたいで」

 本当は嘘だった。

 あの後、自分でも動きが鈍くなってたのがわかるけど、それは怪我したからじゃない。

 あの喧嘩相手が桃花の体を狙ってたからそれで苛々してただけなんだ。

「やっぱ怪我しとったんかいな。桃花ちゃん心配しとったで」

 今川さんはそれだけ言って体育館に入って行った。

「ゆっくり休めよ?」

 一ノ瀬先輩もそう言って体育館に入って行く。

< 120 / 166 >

この作品をシェア

pagetop