どうしようもない幼なじみに…
大和side
桃花がマネージャーをやめる。
その言葉だけが脳裏に引っかかって、俺は競技に集中できなかった。
ただ、学園祭が終わった時、皆が悔し涙を流していたから惨敗だったんだろうと思うくらいだった。
「…負けるってこんな悔しいものなんすね」
鼻水をすすりながら凌太が言う。
おい、オマエ…仮にもアイドルだろ。
「…あ、桃花っち!大和っちとの競技お疲れっす」
凌太が今更言った。午前の競技なのに、なんで今更…。
「あのね、凌太。私…バスケ部のマネージャー、やめるね」
桃花が言った。
「え?」
「一ノ瀬先輩に後で言いに行く予定」
…ごめん凌太。俺のせいだ。
俺は心の中で凌太に謝った。