どうしようもない幼なじみに…



 暫くして、体育館の外が暗闇に包まれた頃、桃花が戻ってきた。

「じゃじゃーーんっ!」

 桃花が持ってきたものを見て、俺は違う意味で開いた口が塞がらなくなった。

 桃花が持ってきたのは、定番料理のカレー…の筈だった。

 だが、肉は赤いし、野菜は切れていない。

「これ…カレー、だよな?」

 俺はそっと聞いた。

「うん、そうだよ?」

 食えるか?無理でしょ。

 皆で目配せする。

「…やっぱ、ダメ…かな?」

 桃花が呟いた。

 俺は桃花を見つめた。

「頑張って、練習…したんだけど…」

 俺は気付いた。桃花の両手は絆創膏だらけだった。

 かなり、苦労したんだろうなぁ…。

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