野獣に魅せられて・・・

玲奈side

料理に集中していた為、

正樹に突然抱きしめられ、

驚いた。

「…ビックリした。

・・お帰りなさい」

・・・?

私の言葉に、正樹は何の返事もしない。

何かあったのかしら?

「…正樹、何かあった?」

・・・

「玲奈、お前を解放してやると言ったら、

嬉しいか?」


「・・・え?」

突然の言葉に、

驚きを隠せない。

「…今月中に、

アメリカに行く事が決まった。

だから・・・」

・・・

私は振り返り、正樹を見上げた。

なんだか泣いてしまうんじゃないかと言う

潤んだ瞳。

今言った言葉と、

心の中の想いが一致していない。

そんな顔だった。

そして私も、

胸をえぐられたような

そんな気持ちになっていた。
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