野獣に魅せられて・・・
「…正樹」


「…フッ。

オレから解放されれば、

自分の想いのままだぞ?

玲奈の好きなようにしろ・・・

もう、お前を束縛しない。

・・・幸せになれ」


・・・

そう言った正樹は、

立ち尽くす私に、

そっと口づけをした。

でもすぐにその唇は離され、

突き放された。

・・・

「ここから出ていけ」

・・・

それが正樹の別れの言葉だった。

・・・

何も言えない私は、

ふらつく足を何とか前に進め、

荷物を持つと、

外に出た。

・・・

・・・何で。
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