嘘付きな使用人
「まぁ今まで完勝してた直哉がこのざまだしなぁ…。」

「…。」

雅人の意地の悪い言葉を無視する直哉。

「何より翔が上機嫌だ。」

「えっ!?翔ちゃん彩ちゃんの事気に入ったの!?」

「ん?
面白そうだからね?」

ギャイギャイと騒ぐ男連中。
それをボーッと眺める清水。
もしこの瞬間誰かが清水の事をちゃんと見ていたならば気付いたかもしれない。

彼女の瞳に一筋の光も差していない事を。
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