嘘付きな使用人
6階の何故かもう一室あった副会長寮は無人。
誰も住んでいないらしい。

7階の生徒会長寮も無人。
こちらは先程追い出した為。

素晴らしい。
掃除がサクサク進む。

「…あー昼飯準備するの忘れてたー。」

時刻はもう昼の1時半。
清水はテクテクと昼ご飯の調達に向かった。

「はーいお昼ご飯ですよ~。」

「おせーよ!!
もう2時半だぞ!!」

生徒会室に入るといきなり突っかかって来る大村。
まだイライラしているらしい。

「うんうんカルシウムが足りてないみたいだね~。
そんな君には~テッテレテッテ~♪」

「…は?」

ドサッと置かれたのは
イワシの塩焼き5本
牛乳2本

茫然としている大村を放置し潤の元へ向かう。

潤の前にも同じ物が置かれる。

「えーっと…彩ちゃん…これは何で?」

「身長伸ばした方がいいかな~と~。
今成長期ですしね~。」

そう言い翔の前に行き置いたのはパスタ。

「おい!!どういう事だよ!!
なんで翔だけまともなんだよ!!」

「あ~彼はイワシとか似合わねえーと独断と偏見によってパスタっす~。」

ありがとう、と微笑みパスタを受け取る翔。
ギャーギャー騒ぐ大村。

「まぁ、そんな騒がない騒がない。
彼も一緒だから~。」

と雅人の前にやはり牛乳とイワシ。

「…これになった理由はなんだ?」

「肉しか食ってなさそうな顔してたので~。」

イワシと牛乳を渡された3人は諦めたように無言で口に運ぶ。
それを見てうんうんと頷く清水。

「夜はちゃんと作るからね~。
お仕事頑張るんだよ~。
ここでちゃ~んと見張っといてあげるからね~。」

翔だけがニコニコとしているが他3名はげんなりしている。

「あっ彩ちゃん!!」

「ん~何だい~?」

「せっかくだしさ、歓迎会しない?
今のところみんな追い出せそうにないしー。」

いたずらっ子の様に笑う潤。
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