嘘付きな使用人
生徒会室に戻るとさっそく酒とつまみを空けていく。
イワシと牛乳の昼ご飯はかなり辛かったようだ。

「じゃー彩ちゃんを歓迎してー乾杯!」

「「「「乾杯ー!」」」」

基本的に酒が好きなのかビールを一気に飲み干す。
清水は焼酎、翔は優雅にワインだったが。

その後は各々好き勝手に飲み食いし続けていく。

「ねー彩ちゃんちゃんと飲んでるー?」

「飲んでるよ~。
まぁ気にせず潤も飲みな~。」

2時間が経ちほんのり清水の顔も赤らんできた。

焼酎数本が空になっているのだ。
ロックで飲み続けているのだから潰れてもとっくにおかしくない。
現に清水にあわせて飲んでいた(飲まされた)直哉はソファーに突っ伏している。

それを見て潤が口を開く。

「…じゃあさ、僕と今から飲み比べしない?
負けた方は勝った方の言うことを聞く事。」

清水はじっと潤を見つめると笑みを零す。

「へ~。
負けたら出て行けと?」

「ー!!
…まぁそう言う事。」

思惑を見透かされ一瞬怯む潤。
そんな潤を見て清水はカラカラ笑う。

「いいよー。
その代わりルールは私が決めるねー。
焼酎ロック。
乾杯で一気飲み。
潰れるまでこれの繰り返し。
トイレは行っちゃダメ。
後、注ぐのは私。」

清水が一気にルールを言うと潤の顔に焦りが浮かぶ。

「まっ待ってよ!
僕焼酎飲めないのに!」

「あ~?
今まで酎ハイの振りして炭酸飲料飲んで、私が酔うの待ってたくせに何拒否してんのー?」

「ーっ!?」

「大丈夫~。
私も大分酔ってるから~。
いくら酒弱くてもいい勝負になると思うよ~。」

そう言うと潤にロックグラスを押し付け焼酎を注ぐ。
潤の顔が引きつっている。

「ほら乾杯しろよ~。」

戸惑いグラスを出さない潤に苛立ったのか清水の顔から笑顔が消えた。

「…てめぇが売った喧嘩だろうが。
最後まで通せや糞餓鬼。」

その言葉に潤は清水を睨み付けグラスを差し出す。

カチン…という小さな音が鳴り2人は一気に飲み干した。



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