嘘付きな使用人
次の日。
朝の4時から掃除と洗濯をし朝ご飯を食べ終えると直哉の部屋に向かう。
入った瞬間
「…とりあえずお前朝行く前毎日風呂入れ。」
と言われ風呂に押し込まれてしまった。
確かに埃と泥塗れだ。

シャワーを浴びさっぱりした所で制服を着て部屋に戻る。

着こなしに散々罵声を浴びせられ直され椅子に座らされ顔を潤に、髪を直哉にいじられる。

「つかお前前髪長すぎ。
切るからな!!」

「彩ちゃんこれからは眉毛位整えようね?」

「まるで人形の気分だわさー。」

「もう!!
彩ちゃん動かないで!!」

「熱っっ!!
清水アイロン使ってんだから動くなボケ!!!」

ちょっと伸びをしただけなのに散々な言われようだ。
朝の準備って命がけだわさ~と呟き大人しくする清水であった。


「翔ちゃん雅やん!
見てみて!!」

そう言われて生徒会室に押し込まれる清水。
顔には疲労の色が見える。

「へー変わるものだねー。」

「…お前ら凄いな…。
清水が可愛く見える…。」

その言葉に潤と直哉が抱き合う。
あの酷い着こなしからここまで変化させられたお互いを褒めあっている。

サラサラの真っ黒な髪。
うっすらと化粧されている顔。
膝上のスカートから覗く細い脚。
どこからどう見ても女子高生だ。

普段の寝癖が当たり前、しかも伸ばしっ放しで目が隠れていた髪にスッピン。
よれたTシャツにGパンからかなりの変化である。

「でも彩ちゃん勿体無いよー。
素材は良いんだからちゃんと整えた方が良いよー。」

「…毎日こんな事出来る奴らが私には信じられないわー。」

「慣れたらそんな時間かかんねーよ。」

「清水さん思ったより目大きいんだね。」

「普段から見てらっしゃるでしょーに。」

「普段は前髪でほとんど隠れてたからさ。」

「つかお前カバンに何でぽたぽた焼き入れてんだよ!!
馬鹿かお前!!」

ぽたぽた焼きをとられ変わりにポッキーを入れられる。

「食べる物まで制限されるとはー。」

「しかもなんだよコレ!!」

「えっ週刊〇春ー。」

ポイッと週刊〇春が投げられ変わりに女子高生に大人気らしいファッション雑誌が入れられる。

「…誰がこんなの読むのかね?」

「お前はこれをキッチリ読んで勉強しとけ!!
…よしこれで変な物入ってねぇな。
さっさと行くぞ!」

「「あいあいさー。」」

「行ってらっしゃい。」

「頑張れよー。」

3人は元気良く学校に出発したのであった。






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