嘘付きな使用人

お仕事開始

AM8:00
桜ノ宮高校生徒会棟1階。
生徒会室前に清水は立っていた。
掃除用具を抱え眉間に皺を寄せて。

「…汚い。」

埃を被ったソファーに机。
破れたカーテン。
泥まみれの大理石であろう床。
汚れがこびりつき外が見えない窓。

「…そりゃ仕事しないわな。」

むしろ部屋に近付きたくないだろう。
清水は溜め息をこぼし掃除を始めた。

しかしこの部屋は広い。
ワンフロア全て部屋なのだから当然だが。

「毎日これを掃除していつ学校行けっつーの。
あのおっさんムチャクチャ。」

ブツブツと小野寺に対する呪いの言葉を吐きながら床を磨く。
意外にこれが捗る事に気付き「小野寺怨念掃除法」と清水は名付けた。
まだまだ掃除は終わらない。

AM8:49
桜ノ宮高校生徒会棟2階。
食堂、多目的ルーム、図書室。

ここにも誰も来てない様子。
埃が積もり清水の足跡がハッキリ分かる。
ここでも小野寺怨念掃除法はフル活用である。
< 4 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop