ロンリーファイター









「涼平っ」

「……」



静まり返る夜の公園。ひと気のないそこで、俺は杏里と話をするべく待ち合わせをしていた。

駆け寄ってきた杏里は、相変わらず派手で目立つ見た目だ。



「話って何?あ、ようやくヨリ戻す気に…」

「…お前、あの人に色々言ったんだって?」

「えっ…」



下手な期待をさせぬよう、早速本題に入った俺に杏里は表情を曇らせる。



「そういうの、やめてくれる?余計なお世話」

「なっ…なんで!?納得いかない!!」



静かな夜空に、荒げた声だけが響く。



「このまま付き合ったら結婚させられちゃうよ!?まだ若いのにっ…」

「させられる、って言い方自体おかしいだろ」

「…?」

「結婚とかって話が身近に感じるであろうことくらい、分かってて付き合ってる」



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