只今、黒天使に仕えてます
れっきとした高校生である俺は、明日の方向からおいでなさる夏休みに向けて、
いきなり『深夜コンビニ』という、次の日休みの日限定のイベントのフラグを回収していた。

こんな首都圏の中でも、選りすぐりの片田舎にも、アパートくらいはある。

目の前に見えるあれだが。何故かあそこだけ町に似合わぬネオタウン化している。うちの町の気狂い市長が町の一番の売りであるクソでかいアパートの周辺だけ、近郊化しやがったんだ。

もう、その市長も下ろされて、今は只のちょっと前の科学が廃れていくさまがリアルタイムで見えるだけだ。

俺は、そのネオタウンに足を踏み入れる。ほとんどの建物が白を貴重した、怖いくらい単純なコンクリ造りだ。

薄暗い道を心無く照らす蛍光灯の点滅が、さびれてる感をグンと後押しする。ハリー・ポッターにあったなこんな感じ。なんか、ハリーが校長と一緒に瞬間移動した所。

確か、この建物の中を通り抜けると、すぐアパートにつくはずだ。



…………ありぃ、行き止まり。隣の建物だったかな?

俺が回れ右をしようとすると。

「おっ、」

90度回転したところで、体が止まる。

あれは、我が家が収納されてるアパート!
ここで良かったんかい。

俺がアパートに向け足を出すと、

あれ?床が無い。
不思議になり、下を向く

「…………闇?」床どころか、光も無かった。辛うじて地面くらいは確認できた。

そのままフリーフォール。
俺は片足を前に出した形のまま、綺麗に重力に従って落ちていった。
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