そばにいるよ。


「ごめん……緋里。
俺、自分の気持ちを、見失ってた。」





「ううん……私も、ごめんなさい。
自分の気持ちを、ポンポン言っちゃって…。」





「いや、俺のせいだよ。」





涙ぐみながら、話す緋里に、一番悪いのは、俺だ。と自重する。





「朱ちゃんだけのせいじゃないよ!
私にだって、責任がある。」





「いや、全部俺のせいだ。」





「私のせいだよ!」





「俺のせいだ!」





二人で、自分のせいだ。と自重してると、何故か、笑いが込み上げてきた。





「ククッ…」
「クスッ…」





「俺たち、」
「私たち、」





「「何、やってるんだろっ。」」





二人でハモりながら、笑う。



楽しい。
こんな風に、緋里と笑いあえて。
そして、仲直りも出来て。




こんな日常が、何故か、愛しく感じる。








だけど――――





その間に、彌丹も居れば、もっと楽しかっただろう。とも、感じてしまう。





それでも、俺は、生きていく。





そして―――








いつか、彌丹を迎えにいく。





今度は、彌丹のことも考えて、家族みんなで、暮らすんだ。






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