そばにいるよ。


「………紗姫、どうした?」





「ねぇ、朱翔。










私は、いつになったら、紫月を忘れられるの?」





「ッ!!」





朱翔が悲しそうな顔で、私を見る。





やっぱり、こんな質問したら、困るよわね。





本当に私、最近どうかしてる。





「………ごめんなさい。
今のは、忘れていいから……っ!?」





朱翔の顔との距離がない。





私はキスをされていた。
だけど、朱翔は直ぐに唇を離し、私の右肩に顔を埋めた。





「………ごめん。
忘れさせるとか言っときながら、全然忘れさせれなくて。」





「………違う、朱翔のせいじゃない。
ずっと諦めの悪い私のせいなの。」





「………紗姫は、紫月をいつから好きなんだ?」





いきなり、びっくりする質問をしてきた。
私は、紫月をいつから好きなのか。
そんなの―――





「小6の卒業式から。」





「…………そんな前からか。」





「えぇ、そうよ。
本当に、諦めもつかないし、おまけにもっともっと好きになっていく。」





紫月のことを知れば知るほど、考えれば考えるほど、好きになっていく。
叶わない恋なのに、好きが膨らんで、だけど、不安は2倍膨らむ。





叶わない恋だと解っているのに、どうしても諦めれない。





恋は辛いことが、幸せより倍近くあるから、嫌になる。
恋なんて、したくなくなる。





なのに、どうして恋をしてしまうのかしら。





恋って、解らない。





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