神龍と風の舞姫
「お昼はどこに行ってたの」

一人舞っていたしるふは、ふと視界に見慣れた青髪が入って事に気がついて足を止める

なびいた髪がふわりと肩に落ちてくる

しるふはすたすたと歩きながら、噴水に腰かける海斗に話しかける

街に入って突然姿を消し、夜ご飯も一人で食べるという寂しい思いをしたしるふは、ちょっと不機嫌だ

3か月ぶりに再開したのがついこないだで、せっかく一人の寂しさから解放されたと思ったのに、またいなくなるからちょっと不安だった

だからすこしすねてみせる

「竜神に会いに博物館にな」

隣に腰かけるしるふに澄んだ瞳を向けつつ、海斗が答える

「竜神?こんな街中に?…って一言言ってから行ったっていいじゃない。突然いなくなるんだもん」

一瞬驚いたような瞳を向けたしるふだが、すぐに唇を尖らせる

ころころと変わる表情に海斗は内心で苦笑する

こんな風に自分の前でも飾らないのは、しるふ位だ

他の人はどうにかして海斗に気に入れられようと必死なのが、目からも口調からもしぐさからもわかりすぎて、対応するのが嫌になる

自分がしるふをそばに置いておくのは、きっとしるふが自然体で接してくれるから



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