神龍と風の舞姫
もう一度馬の首筋を撫でると、海斗は川に浮かんだ岩を伝い、反対岸に降り立つ
そのまま森の奥深くへと茂みをかき分けて消えて行った
夜になって森の中の小さな洞窟で野宿をしていた海斗は、ふと輝く月明かりを見上げる
「白眉(はくび)、少し歩いてくる」
満月を見つめていた海斗はふと、洞窟の入り口に座り、組んだ前足に顎を乗せている純白の狼を振り返る
海斗の言葉に答えるようにぴんと立った耳を軽く動かした白眉を満足げに見て、海斗は小さな丘を下りていく
その背を洞窟の中からもう一匹狼が出てきて見送る
この狼、名を九尾
もともと冥界の門番をしていたが、魂をも焼き尽くす海斗の力に興味を持ち、使命を放棄して海斗の前に現れた
はじめはそんなに強い力を持った者を野放しにしてはおけない、と冥界から下ってきたようだが、今は海斗を気に入り、こうしてそばにいる
いつもは姿を消したり、それぞれにそこら辺を走り回ったりしているようだが、基本的に海斗のそばを離れることはない
純白の体躯を持ち、パッと見野生の狼のようだが、その尻尾の数が9本であることから人界の生き物ではない事を物語っている
ちなみに白眉と九尾は海斗が付けた名で、それぞれ白眉は聡明でいつも落ち着いていることから、九尾は声が白眉よりも高く、メスだろう(もし性別があるなら)ということから名付けた
そのまま森の奥深くへと茂みをかき分けて消えて行った
夜になって森の中の小さな洞窟で野宿をしていた海斗は、ふと輝く月明かりを見上げる
「白眉(はくび)、少し歩いてくる」
満月を見つめていた海斗はふと、洞窟の入り口に座り、組んだ前足に顎を乗せている純白の狼を振り返る
海斗の言葉に答えるようにぴんと立った耳を軽く動かした白眉を満足げに見て、海斗は小さな丘を下りていく
その背を洞窟の中からもう一匹狼が出てきて見送る
この狼、名を九尾
もともと冥界の門番をしていたが、魂をも焼き尽くす海斗の力に興味を持ち、使命を放棄して海斗の前に現れた
はじめはそんなに強い力を持った者を野放しにしてはおけない、と冥界から下ってきたようだが、今は海斗を気に入り、こうしてそばにいる
いつもは姿を消したり、それぞれにそこら辺を走り回ったりしているようだが、基本的に海斗のそばを離れることはない
純白の体躯を持ち、パッと見野生の狼のようだが、その尻尾の数が9本であることから人界の生き物ではない事を物語っている
ちなみに白眉と九尾は海斗が付けた名で、それぞれ白眉は聡明でいつも落ち着いていることから、九尾は声が白眉よりも高く、メスだろう(もし性別があるなら)ということから名付けた