空から舞い降りた天使
「藤さん、山下先生のことなんよ。」



「先生を好きなんやって。」



「それで、それで、私に…。」



「無理せんで、ええよ。」


「ううん、隼人、聞いて…」



「しかし、山下はもてるなぁ。」



「たった、ひとつ、わかったことが、あるねん。」



「俺、おまえらの事、わかってたで。」



「えっ?」



「ずっと前から知ってた。」




「私がつらい時にいてくれたの。」



「そうかぁ。」



「私は先生が好きやねん。」



「あいつは、しってんのか?」



「生徒やから…ね。
どうかな?」




生徒かぁ…




「おまえを、これ以上泣かせたら、俺がゆるさへん。」



「隼人…」



「俺はおまえの元彼やで。ゆるさへん。」



「うん。」




隼人の優しさが寒い夜空に溶けていく。



「おまえには、幸せになってほしいねんなぁ。」



「ありがとう、隼人。」




「でも、あいつ、もてんで。おまえ、たいへんやぞ。」



「わかってる。」




「なんかあったら、俺にゆうてこいや。」



「たくましい、元彼。」




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