一期一会 ~未来からの贈り物~
プーっと頬を膨らますと「うそうそ…」なんて琉司は笑いながら否定してくれる。
まぁ、あながち琉司の言ってたことは間違いじゃあないけど。
けど、女の子だったら憧れる。
手作りのケーキのプレゼント。
好きな人の為にその思いを込めて作るケーキ。
器用じゃあない私には少し難易度は高いけど、でも…
その自分で作ったケーキで彼の誕生日をお祝い出来たら、
本当に本当に幸せだと思う。
けど、そんなの夢のまた夢なんだけど…
そんな私の頭の中の妄想を払拭する声が、ふと聞こえてきた。
「昂〈コウ〉くん、ちょっと観たい本があるからいいかな?」
「うん、いいよ。俺も行く…」
昂くん?
……って!?