竜王様のお約束
「父様と母様を、私が独り占めしているみたいになってしまってごめんね。
私は龍神様への貢ぎ物だから・・・そういう運命の元に生まれてきたから・・・父様と母様は私に対して、罪の意識みたいなものがあるんだと思うの。
だから私が父様と母様の代わりに、あなたたちを抱きしめてあげるわ。2人を心から愛してる。」


サツキの優しさのお陰で、ヤヨイは持ち前の天真爛漫さを発揮する事ができ、姉の影となり見守る決意もできた。


私は常に2番手。
自分だけを見てほしいなんて、ワガママよね。


ひまわりのように笑うヤヨイの胸の内には、無意識ながらそんな秘めた誓いがあったはずだ。


だから未だに、まだ後ろめたく思ってしまう。
ハクリュウの溢れんばかりの愛を、自分ひとりが一身に受けるという事に。


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