竜王様のお約束
「あれ、ちょっと待って。」


リョクが小首を傾げイオリを確認し、振り返って母をまじまじと見つめる。


「私たち・・・背、同じくなってない?」


「きっとコクリュウさんの生気をもらったおかげね。」


にっこり笑ってヤヨイはリョクの質問を肯定した。


「背だけではございませんよ。
さぁさぁ。」


イオリはリョクの背中を押して、隣の部屋へと歩かせた。


白く洗練されたその部屋は一面が鏡張りになっていて、入った瞬間リョクは、鏡に映る自分の姿を目撃することになった。


「これ私・・・?
なんか・・・大人になってるんだけど・・・。」


大人といってもリョクの目から見た大人であって、周りの目にはヤヨイくらいに見えた。17か18か。まだ若々しく清廉な美少女だ。
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