恋の扉をこじあけろ
甘い夜



「こんにちは、牧原さん」


「こんにちは」


窓の外では雪がちらついて、裸の木にひっかかったり窓の淵に積もったり、自由きままに宙を漂っている。


今日はクリスマス。


この分だと、ホワイトクリスマスかな。


「夜が楽しみだね」


「なんか、ごめんなさい。お誘いしたりしちゃって」


「なんで謝るの?川崎と二人飲みなんていう悲しい予定から救ってくれて感謝してるよ」


的井先生は、冬実のたくらみ通り川崎さんと一緒にわたしたちとクリスマスパーティーをしてくれることになった。


しかも、先生の家で。

わたしは今日、先生のお部屋にお邪魔する。


うわ、変な汗かいてきた。


今は冬で、汗なんてめったにかかない時期だというのに。

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