恋の扉をこじあけろ
「わたしは、先生のこと好きです!」
ぐいっと先生の手を引っ張って、二人の距離をつめた。
「松居先生に聞きました。的井先生は、わたしのために…わたしを突き放したんだって」
先生との噂から、わたしを守るために。
周りの興味を逸らすために先生はわたしから、病院から離れていったんだって。
的井先生は苦笑して、首を横に振った。
わたしとは目をあわせないままだ。
「牧原さんのためじゃないよ。俺のためだ」
やっと口を開いてくれた先生は、そんなことを言った。
「一月の治療のすぐあとに、牧原さんとの噂がたっていることに気づいた。そして転勤の話もでてきて、それで…」
先生は、眉を下げてわたしと目を合わせた。