あい、してた。
『ヒニンってどういうの?』
あたしは思い切って二人に聞いた。
『え〜っ!?ミハルはまだ知らなくていいんじゃないの?』
あたしが、そんな話題とは無縁だと思っている二人は笑った。
『ま、そーゆー事態がいつ来るか分かんないしね〜。ミハルにこれあげるわ。』
そう言って、サエコが財布から何かを取り出すと、
机の下からこっそりあたしにくれた。
『それ、男につけてもらわなきゃ、意味ないんだからね。早くしまいなよ。』
手の平に隠れるパッケージには、見覚えがあった。
アツシが最初のときから、きちんと使っていた物だった。
あたしはカバンの内ポケットに慌ててしまいつつ、
知らずに犯してきた危険をちゃんと回避していたアツシに、安心した。