†captivity†(休載)


緒方先輩は『何言ってんだコイツ』的な目であたしを見ている。



「俺はたるいっつってんだ」

「はい、だからあたし追いかけるんで、どうぞお一人で帰ってくださいな」

「はぁ!?ありえねぇ!」



え!?

こっちが有り得ないんですけど!



「だってあたしと帰ったところで、緒方先輩には何の得にもならないでしょう?」



あれだよね、誰得?ってやつ。

緒方先輩だって、あたしと一緒にウハウハ楽しく帰る気はないだろう。

あたしだって、別に緒方先輩と帰ってもしょうがないというか……いや、友達の友達は友達というけれど、緒方先輩と東先輩にそれが通用するとは思えない。

せいぜい玩具にされて終わるな。



そう思っていたのに、意外にも緒方先輩の反応は無関心ではなかったようで。

唇を尖らせてぶすくれていた。



……え?

まさか、ねぇ?

え、夢?

夢なのかなぁ?



緒方先輩が可愛く見える。
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