俺がお前の生きる理由。(仮題)
朝食を終えると『そろそろお時間です。』と葵が告げ、机の上にあった俺の鞄を持とうとする。
「かせ。」
『え?』
「鞄。」
『でも、あの、、、』
「今まではどうだったか知らねぇけど、鞄くらい自分で持つから。お前はそんなことしなくていい。」
ぽんと葵の頭に手をのせると、『はい』と小さく返事が返ってくる。
「行くぞ。」
そう言って葵と部屋を後にする。
学園までの車内でも一言も話さない葵。
スカートの上において握られている手をじっと見つめている。
「あおい」
そう呼ぶと、葵が顔を上げ、視線を交わす。
「大丈夫だから。」
そう言って葵の手を握り、力の入った拳を解いてやる。
「大丈夫。」
もう一度そう言うと葵は「はい。」と答える。
少しでも肩の力を抜ければいいんだけどな。