瑠哀 ~フランスにて~
 大真面目に言い返す朔也を見ながら、ピエールは面白そうに眉を上げた。


「まだ時間はたくさんある。ゆっくり考えるんだね。

ルイのドレス姿がただ珍しかったのか、他に理由があるのか。

他に理由があるなら、それは何か――をよく考えるんだね。

当座として、君がしなければならないのは、ルイを取り戻しに行くこと。

飲み物を取りに行ったにしては遅すぎると思わないか?

もうすでに、さらわれていたりして」


 朔也はハッとしてホールに目を向ける。ピエールを振り返り、


「アドバイス感謝するよ。

考える前にお姫さまをさらわれたんじゃ、話にもならない」


と言いながら、朔也は駆け出していた。
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