瑠哀 ~フランスにて~
 それとは全く反対に、カヅキという青年は温厚な感じがして、優しさが顔に現れているようだった。


 その青年とはほとんど話をしなかったが、ピエールとは違った意味で端麗な容姿だった。

 柔らかな感じのする顔立ちが、繊細そうなイメージを作っているのか、触れると壊れてしまいそうな様相をしていた。



『二人とも、整った顔をしてたわね』



 確かに綺麗なのかもしれないが、瑠哀にとっては、目や鼻や口がきちんと顔に納まっている、といった程度のものでしかなった。
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