瑠哀 ~フランスにて~
 朔也はそれに笑いながら自分の着替えをし出し、

瑠哀は後ろを向いて、目をつむりながら静かに待っているようだった。



 元々、半裸の朔也は手早くズボンを履きかえるだけであり、

すぐに着替えが終わっていた。




『ルイ、おいで』



 また、さっきと同じように朔也が瑠哀を引き寄せる。

 瑠哀は抵抗もなく、静かに朔也の前で座り、

朔也はそっと瑠哀の腰に腕を回し、瑠哀を抱き締める。



『ルイ、下りる時は、髪の毛を前に垂らした方がいいかもね』

『やっぱり、白いから…ね』

『そうだね』



 瑠哀は朔也を見ながら、困ったように笑っていた。



『髪を垂らせば、大丈夫だよ。

君の髪が長くて、俺は一安心』

『そう?』

『そう』

『ちょっと…中が濡れてるから、ズボンも変な感じね』

『そうだね。まあ、仕方ないさ』

『そうね』



 ふふ、と二人はおかしそうに笑っていた。


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