瑠哀 ~フランスにて~
 砂浜を歩きながら、ユージンを家の前まで送る。

 家には入らずに、そこを入る時、ユージンに言伝を頼んだ。



「ねえ、ユージン。ボート乗り場を真っ直ぐに行ったところに、白い家があるの。

私ね、そこにいるの。

白い大きなお家よ。

きっとママは知っていると思うから、ママに来て欲しい、と伝えてくれないかしら?

ルイが、とても大事なお話がしたいから、って。

その時は、ユージンも一緒に来てね。

きちんと、伝えられるかな?」


 ユージンは、とても真剣な顔でして、もう一度、大きく頷いた。


 瑠哀は微笑み、手を振ってそこを去った。
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