瑠哀 ~フランスにて~
『二日でこの傷が治るとも、思えないんだけどな……。それに、あざも』
瑠哀はバスルームで服を脱ぎながら、全身に目を向けていた。
昼間、セシルにカンヌでのセレモニーの話をしたら、どうぞお願いします、と頭を下げられた。
昨日のことで、よほど滅入っているのだろう。
それに、ユージンも怯えている。
事態の鍵を握っているのはマーグリス氏だと思い込んでいるようで、瑠哀もなんとも言えない状態だった。
そう考えるのも不思議はないことだが。
ここにセシルとユージンがいることを知っているのは、彼だけなのである。
彼を疑いたくなるセシルの気持ちは良く判る。
傷に触れないように手を上げてシャワーを浴びて行く。
腰や手足には、まだ、どす黒い青紫のあざがくっきりと残っている。
大半は治りかけていて、黄色く腐ったような色になってきていた。
どちらにしても、目に醜いのは言うまでもない。
片手が不自由なので、シャワーも時間がかかる。
バスタオルを体に巻いて出ると、微かにだったが悲鳴が聞こえた。
パッと、簡単に着れる洋服を手に取り、それを頭からかぶって急いで下に降りて行った。
瑠哀はバスルームで服を脱ぎながら、全身に目を向けていた。
昼間、セシルにカンヌでのセレモニーの話をしたら、どうぞお願いします、と頭を下げられた。
昨日のことで、よほど滅入っているのだろう。
それに、ユージンも怯えている。
事態の鍵を握っているのはマーグリス氏だと思い込んでいるようで、瑠哀もなんとも言えない状態だった。
そう考えるのも不思議はないことだが。
ここにセシルとユージンがいることを知っているのは、彼だけなのである。
彼を疑いたくなるセシルの気持ちは良く判る。
傷に触れないように手を上げてシャワーを浴びて行く。
腰や手足には、まだ、どす黒い青紫のあざがくっきりと残っている。
大半は治りかけていて、黄色く腐ったような色になってきていた。
どちらにしても、目に醜いのは言うまでもない。
片手が不自由なので、シャワーも時間がかかる。
バスタオルを体に巻いて出ると、微かにだったが悲鳴が聞こえた。
パッと、簡単に着れる洋服を手に取り、それを頭からかぶって急いで下に降りて行った。