森の人
「まぁまぁ、落ち着いて。澤山君」
爽やか男が、爽やかに澤山をなだめる。
「お腹、空いてるだろ?食事にしよう」
そう言って、持っていた食料を、巨木の幹の部分にある、居住用の空洞のすぐ横の、小さな空洞の中に入れた。
どうやらそこは、食料庫にしているようだ。以前採りに行ったと思われるキノコが少し残っている。
「あのー、拓也さん!薪の準備って、これでいいんですよね?」
茜が持っていたコンビニの袋から、枯れ葉や枯れ枝を出し、器用に火床を組む中性的な男。
「うん、それでいいよ。コウヘイ」
「後はこれで火をつけてくれ」
そう言ってライターを投げる拓也。
コウヘイの火床作りの指導者は、拓也のようだ。
「火が点きました」
コウヘイのその声に拓也は、キノコを刺した細長い枝を、焚き火に刺した。
そして、その焚き火の周りにみんなを呼び、腰を下ろした。
しばらくして、
「さぁ、どうぞ。澤山君」
爽やかな笑みで、焼けたキノコを澤山に差し出す拓也。
「ど、どうも」
と言って受け取る澤山。
間近で見る爽やかぶりに、思わず照れてしまった。
「い、いただきます」
咄嗟にうつむき、キノコをひと口かぶった。そして、
「美味しい…」
と、たった一言、心の底から滲み出るような声で言った。
爽やか男が、爽やかに澤山をなだめる。
「お腹、空いてるだろ?食事にしよう」
そう言って、持っていた食料を、巨木の幹の部分にある、居住用の空洞のすぐ横の、小さな空洞の中に入れた。
どうやらそこは、食料庫にしているようだ。以前採りに行ったと思われるキノコが少し残っている。
「あのー、拓也さん!薪の準備って、これでいいんですよね?」
茜が持っていたコンビニの袋から、枯れ葉や枯れ枝を出し、器用に火床を組む中性的な男。
「うん、それでいいよ。コウヘイ」
「後はこれで火をつけてくれ」
そう言ってライターを投げる拓也。
コウヘイの火床作りの指導者は、拓也のようだ。
「火が点きました」
コウヘイのその声に拓也は、キノコを刺した細長い枝を、焚き火に刺した。
そして、その焚き火の周りにみんなを呼び、腰を下ろした。
しばらくして、
「さぁ、どうぞ。澤山君」
爽やかな笑みで、焼けたキノコを澤山に差し出す拓也。
「ど、どうも」
と言って受け取る澤山。
間近で見る爽やかぶりに、思わず照れてしまった。
「い、いただきます」
咄嗟にうつむき、キノコをひと口かぶった。そして、
「美味しい…」
と、たった一言、心の底から滲み出るような声で言った。