森の人
「私達が苦労して採ってきたんだもの。当然じゃない」

茜は相変わらず、刺のある口調で言う。

「良かった。食べてもらえて」
「茜やサヤカなんか、そんな得体の知れない物、食べたくない!てダダをこねて苦労したんだよ」

からかい混じりでそう言いながら、二人を見る拓也。

「何さ!もし毒キノコだったらどうしてた訳?」

サヤカは相変わらず、拓也につっかかる。

「大丈夫だよ。学生時代、アウトドアのインストラクターをしててね、その辺の事は詳しいんだ」

「フン。どこまで信用していいんだか」

「…」

雰囲気に圧倒される澤山。

「あの〜。全員揃ったことだし、そろそろ…」

コウヘイが、優しく甘い口調で言った。
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