森の人
「でも、頼みの綱が、こんな頼りなさそうな人じゃあね」

その空気を破ったのは、茜だった。

「茜!」

拓也が怒鳴る。そして、

「それで、澤山君は何て言われたの?」

と、気を取り直し質問する。

「ぼ、僕は
『あなたの欲望や感情に素 直に従った時、道は拓か れるでしょう』
と言われました」

「どういうこと?」

サヤカが食い付く。

「私達の運命は、あなたの欲望や感情にかかってるってこと?」

「そ、それは…」

戸惑う澤山。

「ちょっと。しっかりしなさいよ!」

横から茜がわめく。
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