森の人
「そう。澤山さんはここに来る前、あの女性から何か言われなかったかい?」

「あの女性から?…あっ」

コウヘイは、澤山が、女性に言われた言葉を思い出したことを確認すると、話を続けた。

「僕は、
『五人目まで待ちなさい。きっと五人目が、鍵を持って現れるでしょう』
と言われたんだ」

「五人目?」

そう聞き返しながらも、コウヘイが言わんとしていることを理解した澤山。

「そう、五人目。」
「僕の後に拓也さん、次に茜さん、続いてサヤカさん、そして…」

そう言って澤山に視線を送るコウヘイ。

その視線を受け、

「…僕」

自分を指差し、そう応える澤山。

「…」

無言で頷くコウヘイと三人。           

異様な空気が辺りを包んだ。
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